益子町に伸びやかな屋根のかかった住まいの計画です。
南側ですが、手前の平屋が切妻屋根がかかり、それが北側まで続いています。
二階には、切妻に合わせてだんだんと低くなるへの字の屋根がかかります。
昔から、この屋根をまねかれているような屋根ということで招き屋根と呼んでおります。
私にしては珍しく片流れでは屋根ではなく、南側も大開口ではなく庇をスッとまわしております。

突き出た部分が和室の寝室です。
ちょっと壁を挟んでプライバシーを確保しつつ、屋根を繋げてまわしてコーナー感を出しています。

北側が道路側となり、車二台入るガレージがあります。
屋根が低いと圧迫感が少なくなり、招いている感じが少しは出ましたでしょうか。

プランは、Tの字になっています。
吹き抜けのある居室空間が二間(3.64m)でかなり細めです。
それを狭く感じさせないために、南側の無柱の庇です。
眺望が開けていて景色がよいので、この庇はかなり効いてくると思います。

個人的な自己満足ですが、西側ファサードがなんとかまとまりました。
いつも東西南北四面どこから見ても美しくと心掛けてはいるが、
どうしても歪みが生じる時もあって、メインではない方に持ってくることがある。
ここからさらに、もう少し1階と2階のバランスをよくしたいところです。

師匠に、京都の街並みを見ながら
1階の屋根より2階の屋根は見えにくいから、2階の屋根勾配を半寸きつくしているんだよ。
と教わったときを思い出し、この写真をみながらようやく言っている意味を理解しました。
屋根はまだまだ古い建築をみて、奥深く勉強しなければです。

今回は勾配を変えることは難しいが、他で調整してみようと思っております。
実はそろそろ実施設計完了です。こちらも夏着工で来春完成で進んでおります。