少し前にとてもお世話になっている方からのご紹介で栃木県小山市にある西堀酒造の酒蔵を訪れる機会があり、江戸時代末期の建物を含めて指定有形文化財を含む酒蔵を見させて頂いた。
力強い木組みの架構があり、木桶を並べて上から作業するからか酒蔵の架構パターンもあり非常に興味深く見させて頂きました。写真は酒蔵を繋ぐ接続部でL型に曲がっており、複雑に梁がかかっているが曲がり松が浮遊しているように走り、そこに腰屋根からの光が降り注ぐのかなんとも作業場であるが美しい光景です。

そして偶然なのですが、長屋門の改修をしてジンの蒸留体験するスペースを計画中ということでお手伝いすることになりました。ビール、ワイン、日本酒は大好きなのですが、そもそもそれほど飲めないということもあり、ウィスキー、焼酎などの蒸留酒はほぼほぼ飲んだことが無いということで、蒸留酒の仕組みを教えて頂きながら海外のHPの写真を見ながら悪戦苦闘して作業テーブルを作成しました。長屋門は指定有形文化財ということで、長年の間に色々と付け加えられていたものを取り、原型を取り戻しつつ、新たな息吹を少しだけ足しました。

古い建物を維持管理するというのは非常に大変で、改修前の姿をチラリとお見せしますが、
まぁまぁ大変な状態となっておりまして、土壁や板壁の上にボードを貼れば湿気がたまりカビます。
ほぼすべての新建材を取り除き、既存の無垢の木は調整してまた再利用します。この建具も金物を取り替えて隙間を塞ぎ再利用しました。再利用できるのはほぼ無垢材でして、長い目でみると無垢材の優位性は高いですね。
そんなこんなで、こんなんできました。

久しぶりの改修工事ですが、古いものほどやりがいがあります。
私の設計も長く愛されて時を経ても残るものに、そして次の誰か壊すことなく次に繋げてくれるようにといつも考えています。
HPに写真を掲載しましたので、ご覧ください!