福島県白河市ののどかな田園風景が広がる自然豊かな場所に建つ住まいです。南側に見える小高い山に呼応するような合掌屋根が特徴の平屋の住まいです。
外壁は、八溝山系の杉材を黒塗装しており、全体的に黒で統一しております。内部は一転して白い壁、天井と、内部の木部も地場の杉、檜で構成しています。ここでも地場の木材を使うように心がけております。
那須よりも北に位置し寒さ厳しくなりますが、南側に大開口を設けてたっぷりと日差しを受け、東側、西側をしっかりと塞ぐパッシブな設計を心がけることにより、暖かな住まいを実現しています。建物の中心に薪ストーブを配置して、効率良く各部屋に暖気が回るように、循環ファンを設置して床下にも薪ストーブの熱を回してあげています。空調は、環境創機のエアラダを採用して、全館空調とし、夏冬と切り替えを行うことにより最適な方法で冷暖房を行うことができます。
プランは、平家でリビング、ダイニング、キッチンを中心にして、東側に寝室、水周り等のプライベート空間、西側に玄関、土間収納、子供部屋が配置されています。また、キッチンの水周りは裏動線で繋がっており、家事がしやすく配慮しています。ご主人こだわりのオーディオルームは、石井式リスリングルームを参考に、音響計算を行い、それに基づき設計し、工務店に施工をお願いした部屋となっております。キッチンの隣には、少し篭った部屋は書斎にして、そこからハシゴでロフトも広くとられており、遊び心のある住まいにもなっております。
雪の多い会津地方の合掌屋根のタイポロジー的に屋根に意味を与え、シンメトリーな外観を敢えて少し外して構成している。屋根の建築を作りたかった。内部は、どっしりと構えているメインの空間が大屋根の中心にあることで、骨太な骨格を見せるようにと考えた。
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所在地:福島県白河市
構造規模:木造平屋建て
延床面積:125.43㎡(37.89坪)
竣工:2021年
撮影者:藤本一貴