名栗
去年の10月に大阪の橘商店に名栗の見学に行って来ました。
名栗とは、チョウナなどで独特の削り跡を残す技法で、私はよく敷台が名栗加工されている足の感触がなんとも言えない心地よさで、いつか使ってみたいと思っていました。3年前にMOKスクールで講演した時に、橘商店の橘さんと知り合いまして、名栗を使おうと思ったプロジェクトと共に大阪に伺った次第です。
見させてもらったナグリの風景は、ずっと昔からこうやってナグってきたんだろうと思える大好きな職人技の雰囲気です。
壁に掛けられたナグリの道具達
名栗も様々な加工があり、一方突き、矢型、六角、亀甲、、
最初相談した時には、栗をルーバー状に貼ることを想定していたのですが、
名栗は外壁に使うときには、面で見せた方が加工がきれいに見えるかなと思いまして、矢型の模様に魅せられてだんだんとイメージが湧いてきました。
材料から、建築を想像するのも面白いです。
橘商店の倉庫の壁が矢型加工されていて、それを紹介している橘さん!
久しぶりの大阪でして、感覚を思い出すのは時間がかかりましたが、やはり大阪のノリは好きです。高校時代に、阪神タイガースが好きで、大阪の大学に行った事を思い出しました。
この外壁が矢型の名栗になります。
たぶん、名栗の使い方としてはちょっと違うのかもしれません。
料亭、和風建築に使われている名栗に比べて品がないとか言われそうですが、新しい名栗の使い方にならないかなと思っています。
先日、クライアントから発注のOKを頂きまして、プロジェクトスタートです。