ヒノキとサワラって、枝も木目も似ている兄弟のような木なんですが、秩父の山では、寒くてヒノキが育たなかった場所に、寒さに強いサワラを植えたそうで、栃木に比べると、サワラが多くとれるそうです。

そして、どうやって見極めるか? 葉っぱの後ろが少し白いのがサワラの木だそうです。製材された状態では、私はいまだに見極めがつかないのですが、節の辺りでわかるそうです。

木材ももっと勉強が必要ですね。さて、そんなことで秩父の山へ行ってきました。

今回は、建主さんのご実家が林業をされているという事で、まずは製材所で木材探しからです。

材料探しから始められるなんて、贅沢な話です。私はこういう仕事が多いのはなにか引き寄せるのでしょうか?

製材所にはたくさんの木が集められますが、スギ、ヒノキ、サワラなどが主なものです。

すべて天然乾燥している材料です。

最近は釜に入れて、強制的に含水率を下げて材料を安定させるのが主流になっておりますが、色、艶、香りが強くなりますし、カビ、腐りに強くなります。

いい事尽くめのように感じますが、人口乾燥の方が安定性、製品化率、含水率等はよいとされています。

しかしながら、材木屋さんで、ヒビ、ソリがなく、安定したいいものを選んで出荷していただける事になり、本当によい木だけを使える事になりそうです。

土台と柱がヒノキ、梁、化粧梁、化粧垂木は、スギを、軒天、天井、外部の壁、デッキ、床材など贅沢にも、サワラの30mmの厚板勧められまして、即決です。

サワラの木をこれだけ使えるのも、贅沢ですし、楽しみです。

お持ちの広大な山を見させて頂きました。

林業の抱える問題はどこも同じで、これだけの森林資源を有効に使えずにいるのが今の日本です。

戦後の森林政策のツケをこれから払うのです、よい道を見つける方法があればよいのですが、私は、まずは地道に木材を上手く使って貢献するのみです。

ここがサワラの森!

なんとか、サワラとヒノキの森の違いが分かってきました。

サワラの4面無地は、ヒノキにしか見えないそうです。うぅーむ見て見たいものです。

帰りにご自宅の薪ストーブの前で暖まって帰りました。

「父の育てた木で、息子が家を建てる」なんともいい物語です。

この大切な木を使わせて頂くわけでして、設計としては気合が入ります。

秩父から帰り、木材の仕様を大幅に見直して、ちょっと頭はパンクぎみです。

正月に整理をして、図面を完成させます!